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【開催報告】日本遺産シンポジウム「葬られた古代吉備の歴史」を開催しました!

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【開催報告】日本遺産シンポジウム「葬られた古代吉備の歴史」を開催しました!
日本遺産「『桃太郎伝説』の生まれたまち おかやま~古代吉備の遺産が誘(いざな)う鬼退治の物語~」の構成文化財である造山古墳を糸口として、輝かしい歴史を有していた古代吉備の実態に迫るシンポジウムを、令和7年3月9日(日曜日)に岡山芸術創造劇場ハレノワ大劇場(岡山市北区表町)で開催しました。

シンポジウムは、日本遺産「桃太郎伝説の生まれたまち おかやま」推進協議会が、日本遺産・桃太郎伝説の認知度向上や地域への愛着醸成を図ることを目的に実施。岡山市、倉敷市、総社市、赤磐市などから約1200名が来場されました。

パネリストとして岡山市出身で歴史学者の磯田道史氏、考古学者の亀田修一氏、大森雅夫岡山市長が登壇。タイトル「葬られた古代吉備の歴史」のもと、「5世紀初頭は吉備と大和が主役」「渡来人からみた古代吉備」「謎の4世紀と『倭の五王』の5世紀」「なぜ? その吉備の歴史は葬られた」のテーマごとに意見を交わしました。

大森市長は、5世紀初頭に履中天皇陵古墳(大阪府堺市)とほぼ同じ大きさの造山古墳を造ることができたこと、造山古墳には熊本県から運ばれてきた石棺があり、陪塚のひとつ・千足(せんぞく)古墳には熊本県から運ばれてきた石障や香川県から運ばれてきた石室石材があること、吉備の系譜を引く国造が各地に分布していることなどに触れ、吉備が強大な力を持っていたと強調。市が提唱する「吉備と大和の二頭政治」の根拠について説明しました。

磯田氏は「古代文明を持っているところは、何か危機になったり、時代の変革期になっても文化のパワーみたいなものがある。吉備については驚くような発見がここから先10年、あると思っています」と目を輝かせ、亀田氏は吉備と朝鮮半島、渡来人との関係を踏まえて「肥沃な平野や3つの大きな川という恵まれた自然環境、新しい技術、東西南北との交流などがあってこそ造山、作山、両宮山が出来上がっている。そのあたりをもう一度改めて認識して見直し、うまく広げていけば、さらに発展していけると期待しています」と語りました。

最後に、大森市長は今後も発掘調査などを通して「岡山の子どもたちに、『我々の先人たちはこのようなことをやっていたんだ』と胸を張って言えるようにしたい」と締めくくり、1時間30分のシンポジウムは大盛況のうちに幕を閉じました。

参加者からのアンケートでは、シンポジウムを通して、古代吉備の歴史について理解が深まり、かつて隆盛を誇ったこの地域に対してこれまで以上に誇りや愛着を感じるようになったという声が大半を占め、「古墳巡りがしたくなった」「発掘をもっと進めて解明してほしい」など、熱を帯びたコメントも寄せられました。日本遺産「桃太郎伝説の生まれたまち おかやま」推進協議会では、今後も古代吉備の存在を全国に発信し、日本遺産・桃太郎伝説の魅力を広げていくとともに、地域住民の郷土への愛着を育む事業を展開してまいります。
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